おもちゃの選び方 日用品や自然物 和久洋三

 

子どもが喜ぶおもちゃが良いおもちゃとは限りません

和久洋三

3 日用品や自然物

前述のような複雑な仕掛けのおもちゃを喜ぶと同時に、子どもは身の回りにあるものを何でもおもちゃにして遊ぶという面も持っています。コップやしゃもじ、外で遊べば石ころや棒きれなどをいろいろなものにみたてて遊ぶ姿を見ていると、「やっぱり子どもは遊びの天才だ」と感じる人も少なくないと思います。だから、特別におもちゃなんか必要ないのでは、という声をよく聞きます。仕掛けの複雑なおもちゃとは反対にかたちがシンプルなので、想像力をかき立てるのでしょう。しかし、これらだけでは遊びが広がっていきません。 たとえば、三才になるある子がピーナッツを数個並べて遊んでいました。ピーナッツはその子のイメージのなかで電車になったり、動物の親子やモーターボート、自動車へとつぎつぎに変化していきます。しかし、遊びは10分ほどでストップしてしまいました。空想遊びまではよかったのですが、さて、次にどうやって遊ぼうかと考えたとき、ピーナッツでは積むこともつなげることもできず、遊びをふくらませることができなかったのです。 飽きてしまうおもちゃに共通して言えることは、何ども遊んだり、あるいは長時間遊ぶと新しい発見や、新しい表現(創造)をすることができないということです。 子どもが強い関心を示したからという理由でおもちゃを選んでいると、せっかくの子どもの可能性も埋もれたままになってしまいます。飽きられたおもちゃで子ども部屋が埋もれてしまうことのないようにしてください。 その点でおもちゃ選びを子どもにゆだねることは、決して正解とはいえません。子どもには、何が自分の栄養になるかを知る情報が与えられていないからです。それは遊びながら感じとってゆくことです。

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