新しい子ども発見 和久洋三
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新しい子ども発見
和久洋三
子どもが本来持っている力が見えてきました。
人間は歳と共に発達しながら成長していくものと私はずっと思い込んでいました。自分が子どもより劣ることがあるなどとただの一度も考えてみたことはありませんでした。しかし、その考えが全く間違っていることに気づかされました。
童具館は設立して十数年になりますが、ここには1歳半から10歳まで、百数十名の子どもが通ってきます。子どもたちと真剣に向き合う中で、「この子たちはわたしが失ってしまったものをもっているのかもしれない」───こう感じたのは数年前のことです。
それからわたしの中では<指導する>意識がしだいに薄れていきました。子どもの自由意志をまず第一にし、彼らが何をしようとするのか、むしろそのことをじっと見守ることに関心が向かうようになりました。その頃から、指示したり、干渉したりすることがほとんどなくなりました。
童具館「創造アトリエ」の主役はわたしでなく子どもたちになりました。
1歳児は1歳児なりに2歳児は2歳児なりに、じつはすべての活動を一生懸命考えながらやっていることに気づきました。そこには、なにひとつ無駄なことはありません。知りたいという強い欲求がいつも働いています。こうすればどうなるかという知的好奇心に満ち満ちた表現活動をしていました。
わたしが真剣に考えたことは活動のきっかけづくりと環境づくりでした。それさえ準備すれば、あとは子どもまかせ、やりたいようにさせています。その結果、子どもたちの生みだす世界はますますわたしの眼を見はらせ、感動を与えてくれるようになりました。
子どもは身近にあるいろいろなものを通して様々なことを感じとり、興味が湧けば感じたことをやってみようとします。
ここで大切なことは「存在するモノ」があることです。
「モノ」には「形」があります。童具はその形を科学的に、数学的に分析し、遊ぶ道具としたものです。形を徹底的につきつめていくと、そこには人間をとりまく宇宙の法則がきちんと用意されていました。それは人間の本質とも一致するものでした。そしてそれは美の本質、さらには愛の本質とも一致していました。 何千年も前から、人類は人間の本質と宇宙の法則の関係性に思いをはせています。すべての生命の中に一致するものを探し出そうとしてきました。なぜでしょう。おそらく、そこに共通の本質があるとすれば、その本質に合った生き方に添えばきっと人間は無理なく、素直に、それゆえ心豊かに暮らせると考えたからに違いありません。それは「あるがままに自由に生きる」ことの模索でもありました。
もう気晴らしに取り組む「おもちゃ」の時代は終わりました。
童具、とりわけWAKU-BLOCKシリーズは、その原理・摂理をわかりやすい形にして表現したものです。であればそれを手にして子どもが遊ばないわけがありません。そればかりか若者も大人も老人もとりつかれたように遊びはじめます。人間の本質にあった活動が人間に快感を与えるからでしょう。 童具はあればあるほど楽しく豊かな遊びを生みだします。それはあたかも、この世に存在する限りなく多様なものに囲まれていることによって人間の生活や思考が広がり深まるのと似ています。
「童具」によって創造力と共生意識を育てる時代が到来しました。どうぞ子どもたちに豊かな<童具環境>を用意してあげてください。あなたの知らなかったすばらしいお子さんの能力を発見し、毎日の子育てがきっとますます楽しくなることでしょう。
Last Update 2009.01.04 Copyright (C) 2001-2009 Daccord.Inc. All Rights Reserved
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