童具の宇宙 和久洋三
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子どもたちに手渡すもの。そして、「童具の宇宙」について 童具館 館長 和久洋三
いろんな子どもと接してきて、いま、やっとわたしは、子どもが少し見えてきました。それはおもちゃを創りはじめた頃にイメージしていた子どもの姿とは大きくかけ離れたものでした。やさしさ、けなげさ、ひたむきさ、いつの間にかわたしたちが忘れてきたものを子どもはいっぱい持っていました。
そして、予想だにしなかった能力。
30年前、わたしは個性的なおもちゃをつくるために情熱を傾けていました。しかし、その後、保育士の真似ごとをしたり、アトリエで1000人を越える子どもたちと接していくうちに、創作するものがどんどん単純になり、ついに○と△と□の世界に行きついてしまいました。それはもうおもちゃというより素材です。この世界をわたしは<童具>と呼ぶことにしました。クリエーターはわたしではなく、子どもになり、眼を見はるようなデザインを完成してくれるのです。遊びながら学びを深め、創造活動を果てしなくくり広げる世界が生まれました。
子どもは遊びの中で仲間はずれを避けようとします。どんなものでも生かして遊びの中に取り入れようとします。
それは人間をとりまく宇宙のあり方と同じように、互いを生かす姿です。宇宙の本質も人間の本質も、じつは同じであることにある時気づかされました。その本質にあったものを与えることができれば、子どもの能力は自然に引きだされます。それをわたしは『コスミックボンズの法則=宇宙のつながりの法則』としてまとめました。子どもにとって一番わかりやすい形の世界を系列化させたのです。それはすべての製品に関係性があって、無駄なものはひとつもない世界です。
童具で子どもの環境を整え、お子さまの活動に眼を向けてみてください。きっと皆さんの知らなかった子どもの姿を発見し、楽しい子育てがはじまるに違いありません。
童具 わたしはおもちゃと言わず子どもが取り組んで遊び、学ぶ、すべての用品、用具を童具と呼んでいます。
この言葉はわたしがつくった言葉です。
おもちゃと遊びの本質に関係したことなので、最初にこの言葉をつくった理由をお話しします。
子どもの遊びや学びのためにつくられた用品用具を、おもちゃ、玩具、遊具、そして、教具、教育玩具、知育玩具などとわたし達は呼んできました。
遊びと学びの区別をするために二つの意味を持つ言葉がつくられています。
しかし、この分類にはどうしても矛盾があり、無理があります。
例をあげれば、積木はおもちゃ(玩具・遊具)なのか、教具(教育玩具・知育玩具)なのか。
子どもが自発的に自由に遊ぶ時はおもちゃで、母親や教師に数や量を教えられて学ぶ時は教具となるのでしょうか。
子どもは自発的な遊び(遊びは本来自発的な活動なのですが)の中でも、左右の高さを同じにするためにはどうすればよいか、もっと高く積み上げるにはどうすればよいか、常に大きさやバランスに注意して、いつの間にか数量や形態に対する認識を深めています。これは明らかに学びを深めている活動です。
ある数学者はこうした遊びのことを原数学と言っています。積木遊びなどをたくさんさせることは、算数や数学の基礎づくりにとても大きな役割を果たしていると述べています。
このように子どもは遊びながら、無意識のうちにさまざまなことを学んでいます。
遊と学を区別することはできないとわたしは考えます。
童具という言葉をつくらざるを得なかった理由はそこにあります。
遊具は遊びながら自発的に学びを深める子どものための製品です。
童謡、童話、童具、どれも子どもの精神を育む大切な文化財です。
Last Update 2009.01.04 Copyright (C) 2001-2009 Daccord.Inc. All Rights Reserved
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